そうして俺は手にしていた封筒の中から、また1枚、別の写真を取り出して掲げてみせた。
だが、自分の側に伏せて、あくまでも何が写っているのかは見せないままに。
「これは、売り出す前の生徒会検閲対策用に、写真部がコッソリ用意してた“切り札”、なんだけど……」
今回のコトに当たるにつけて、使われる前に俺が押収してきたものだ。
「本来なら、部活間提携までしてることだし、新聞部に持ち込むべきネタではあるんだが……なにぶん体育祭の後だからな。校内のゴシップより、少しでも部費として自分らに返ってくるものが多くなる方を優先したんだろう」
体育祭をはじめ、弱小とはいえ写真部は、学校行事のたびに“公認カメラマン”として駆り出される。
それゆえに、同好会に格下げされてもおかしくはない規模であるにも拘らず、“部”としての存続が認められているのだ。
よって“公認カメラマン”であるがゆえに、その写真を校内で販売することも許可されている。
――ただし、それはあくまでも生徒会の検閲を通った写真のみ、に限られるが。
風紀上の観点から大勢の目に触れさせるに好ましくないと思われる写真については、情け容赦なく生徒会側から“販売禁止”を食らうのである。
――それが写真部のヤツらの言う『生徒会検閲』だ。
とはいえ、そういった“販売禁止”を食らってしまうような写真であればあるほど“売れる”のは事実、でもあり。
つまり写真部側としては、出来る限り売り上げを上げて部費に充当したいがため、“販売禁止”とされる写真は少ないに越したことは無いワケで。
ゆえに写真部は毎回、あの手この手を画策しては、何とか出来る限り甘い査定で検閲を乗り切ろうと常に企んでいるのである。
――よって今回は、この写真が、その手段。

