Anniversary


 そこに写っているのは……言わずもがな。

 ――体育祭における、例のロリータ小泉とチャイナな由良、加えて学ラン姿の高階である。

「ちなみにコレが、予想じゃ“1番人気間違いナシ!”ってゆー売れ筋№1なヤツ」

 そうして俺が見せた写真は……そのゴスロリ・チャイナ・学ランな3人娘が、ニッコリ笑って並んで一緒に写っている1枚。

 まさしく、これぞ“マニアさん、いらっしゃ~い♪”な1枚である。

 …つーか、マニアじゃなくともフツーに欲しいかもしれないな男なら。

「つーワケで。…心当たり、ありまくりだろ? ――なあ三樹本に武田?」

 言いながら俺が視線をやってみた途端……そこに硬直したまま並んでいた端正な2つの顔に、揃って引き攣った笑みが浮かぶ。

「そりゃあ、…仮にも“自分のカノジョ”の写真、だからな。その気持ちは分からないでもないけれども。…とはいえ写真部にとっちゃー、これは貴重な収入源なんだぞ?」

 そんな2人の様子に俺も呆れた表情を浮かべつつ、やっぱりタメ息吐き吐き、先を続けた。


「それを、いくら何でも“販売中止”にまで追い込む、ってーのは……どー考えたって、フェアじゃないだろう?」


 ――そうなのだ。そこまでしやがったのだ。コイツらイケメン2人がタッグを組んで。

 片や現役生徒会副会長。

 そして片や校内の情報通。

 コイツらにかかれば、しょせん部員数の少ない弱小写真部なんて、ポッと一吹きでツブされる。

 …それくらいのネタは掴んでるハズだ。

 じゃなきゃ、ここまでの強硬手段には及ぶまい。

 よって堪りかねた写真部の部長が、『なんとかしてくださいー!』と、俺に泣き付いてきたよーなワケだった。

『ここで売れセンの写真すべて差し止められたら……もう、にっちもさっちも首が回らなくなるんですぅううううっっ!!』

 …という、“借金が積もり積もって夜逃げ寸前”のよーなコメントを延々と聞かされ続けた俺の方が堪りかねて、ついでに根負けしたのである。

 しかも、よくよく話を聞いてみれば、同情すべき点は多々あるしな。