彼女だけじゃない。
ここに残っている全員が、多分それぞれでシッカリ気付いていることだろう。
我ながら、さっきのはあまりにも不自然すぎる“使いっ走り命令”だったと思うもんな。
しかし、だからこそ、ここにいる誰もがナニゴトか勘付いたのか、…それとも、余計な口を挟んだが最後、後が怖いとでも思ったのか。
それで『自分も行く』などと言い出さないでいてくれたのだろうし?
「『予定外のお客』も何も……そもそも平良先輩が自分で私たちのことまで誘ったクセに。――由良まで追い出して……一体、何をしようっていうんです?」
「…スルドイね、さすが梨田」
応えて、軽く笑みを彼女に返してから。
(“スルドイ”ってことも……時としてアダになることもあるんだよな)
そうして俺は背後にある窓枠に寄り掛かり、ゆっくりとその場に残っている面々を見渡した。
「仰る通り。――残ってるコイツらに用があるんだよ、俺は」
にまっ…と小さく笑ってみせた、俺のカオは。
迫力がホトンドまるで悪人のそれだった、と……後から梨田サンにシミジミと言われた。
「1年連中も追い出したことだし……ここらで“本題”に入るとしようか」
ゆっくりと両腕を組む。
「実は、さ……ついさっき写真部の部長が泣き付きにきたんだよな、俺のトコに」
告げたと同時。
――即、その場の空気がパッキリと硬直したのが解った。
軽くタメ息を吐き、俺は自分の傍らにコッソリ隠すようにし置いておいた封筒を取り上げると、その中から何枚かの写真を取り出してみせた。
「これが当の“理由”だけど。…売りに出す前であるにも拘らず、既に予約が殺到しているんだそうだ」

