Anniversary


「…じゃ、そーゆうワケで」


 カンパイのムードも一段落ついただろう頃を見計らって、手の中のコップを目の前の机に置きつつ、改めて俺は口を開いた。

「とりあえずカンパイが済んだところで。――1年ども3人、オマエら買い出し!」

「「「…はいっ!?」」」

 言った途端、3人とも揃って目を丸くして声を上げる。

 …そりゃーそうだろうとも。

 フツー言うならカンパイの前に言うよなコレ。

「予定外のお客さんが増えてしまったので、常備してある飲み物だけでは足りなくなりました。…よって、ひとっ走り買いに行ってきてクダサイ」

 とはいえ、前言撤回する気などサラサラ無い俺が、繰り返し、今度はバカ丁寧な口調になって、しかも加えて“上級生の命令には絶対服従!”というハクリョクさえも込めた笑みでもって、有無を言わせず告げてやると。

 それでサッサとあきらめたかのように、ゲンナリ「はあい」と呟いた。…またもや3人揃って。

「…ついでに由良、オマエもついてけ」

「え? …アタシも?」

「荷物持ちは居るに越したことは無いだろ? それと、テキトーに何か菓子でも見繕ってきてくれ」

 それを言うと、即座に「ホントッ!?」と、パアッと顔を輝かせる由良。

 ――コイツの無類の駄菓子好きを、決して知らないよーな俺では無い。

 そんなこんなで、「じゃあ…」「とりあえず…」「行って…」「きまーすっ♪」と、喜びルンルンな由良を筆頭に部室から出ていく4人を、「酒類ツマミ類以外なら何でも好きなの買っていいからなー?」と、手を振り振りニコニコと見送って。


「――なァーにを企んでるんですか?」


 ピシャリ!

 引き戸が閉められ、4人の足音が遠ざかっていくのを見計らったように投げ掛けられる……そんな梨田サンの言葉。