「桃花ちゃん? もう今日は1日、このままで居な~い?」
「それはイヤー! だって、サンザンみんなにからかわれるんだもんっっ!!」
さっき弁当を取りに自分の応援席まで戻った際のことが、小泉の中で、まだ尾を引いているらしい。
確かにアレは凄かった。
高階と小泉が並んで戻るなり、周囲の人間、2人に殺到したもんなー。
「写真とらせてっ!!」をはじめ、「お疲れー」と労いがてら「カワイイー♪」「カッコイイー♪」とモミクチャにされかかり……慌てて2人とも弁当もって抜け出してはこれたものの、救護テントへ向かう間も道すがら、何かしら周囲の視線が纏わり付いてたからなー。
「知らないヒトにまで『写真とらせて』なんて言われるのは……ちょっとカンベンだよ、もう」
ゲンナリした表情で小泉が呟き、そうしてから手の中のオニギリにパクついた。
パクつきながら……そこでフと何かに気付いたように、顔を上げる。
「あ、でも、そういえばこの服……1人じゃ脱げないんだっけ。――島崎センセイ、お願い、脱がせて?」
―――小泉、オマエもー……!!
いくら無自覚とはいえ、そのセリフは更に倒錯的な方向にいくからヤメれーッッ……!!
つーか、それを止めるべき当の“カレシ”はドコ行ったんだ!?
と、慌ててイラッとしたままその場を見渡すも。
――居ねぇし三樹本。
(そういえば……元々から居なかったよーな気もする……?)
はて、そしたらヤツはドコへ…? と、訝しく思って俺が、三樹本の行方を問うべく、それを言葉に出そうと口を開いてみた、
――その途端。

