Anniversary


『――上から、75・50・75っ!!』


 即行、マイクを通して響いてきた三樹本の声。

 ――即答かいっ……!!

 しかも同時に、『うぎゃーっっ!! なんでそんなこと知ってるのぉうーっっ!!』と響いてくる、小泉の、まるで断末魔のよーな色気も無い叫び声。

 ――つまり“ズバリ正解!”ってーコトかいっ……!!

 よって三樹本は最後の障害を難なくスルー、そのまま一直線にゴールイン。

(――アンカーにアイツを置いといて、マジでラッキー……!!)

 この時ほど、それを噛み締めたことは無い。

 ついでに、「イロモノ問題カモーン!」という俺の神頼みを叶えてくれた神様、ドウモアリガトウっっ!!

 一方、坂本は、というと……サスガのアイツでも、カノジョでもない由良のスリーサイズまでは知らなかったらしく……しばしパッタリ硬直していたものの。

『あー……? ――77・60・80、だっけ……?』

『――坂本センパイ……それリンダちゃんのスリーサイズ』

 答えては即座に由良から訂正を入れられて。

 と同時にスピーカーから聞こえてきた“バキャッ”とも“ごりゅっ”ともつかない、マイクを握り潰したよーな不穏な音は……おそらく絶対、当の『リンダちゃん』こと梨田サンによるものに違いない。

 …コレは後がオソロシイことになりそうだ。

 そうやって、未だ由良のスリーサイズを巡ってあーでもないこーでもないと葛藤し続ける坂本を眺めつつ……「ご愁傷サマ」と、コッソリ俺は呟いて心の中で手を合わせる。

 …合掌。

『うあああ、こんなことならアンカーに武田を置いとくんだったあああああッッ!!』

(――確かにっ……!!)

 そんな悲痛なヤツの絶叫に、心の底からの同意と共に深ーく頷いてしまったのは……きっと俺だけではないだろう。


 ―――こうして……“優勝候補”である生徒会チームを下し、ぶっちぎり1位という素晴らしいタイムで、俺たち天文部チームは、この《部活動対抗障害物リレー》においてブジ優勝を収めることが出来たのでアル。

 …めでたしめでたし。