Anniversary


 続く《部活動対抗障害物リレー》、第4の関門。―――これまたオーソドックスに障害物、今度は“ハードル”。


 やっぱり平均台同様、出来る限り一番低い高さに設定してあるハズなのだが……それにしたって、人間1人抱えたまま跳び越えるには、かなりキツイ高さであるのかもしれない。

 現に、前のレースまでを見ていて、フツーに跳び越えていたヤツなどホトンド居なかったし。

 せいぜい跨ぎ越すのが精一杯、というアリサマだった。

 しかもバトンと手を繋いで走っている女子の走者の場合でも、走ってるスピードで一緒に跳び越えるなんて、ほぼ不可能に近かったしな。

 横並びに並んで一緒に跳び越えようとするには、タイミングが難し過ぎるって。

 それに何よりも危険だし。

 そんなハードルを、やっぱり目の前では、いくら運んでいるのが軽い由良とはいえ、武田がフラフラとスピードを落として跳び越えているのが見える。

 やっぱ武田のような標準体格の一般男子高校生には、由良でさえも少々走って運ぶにはキツイのかもしれない。

(――ってことは、ココがチャーンス!?)

「…しっかり掴まってろよ小泉! ちょっと激しく動くからな、絶対に落ちるなよ!?」

「へっ……!?」

 小泉の返答を待たずに、俺はそのまま助走をつけ、1つ目のハードルを飛び越えた。

「ぅきゃあっっ……!!」

「だぁから、しっかり掴まってろって言っただろうがっ!!」

 まさか本当に俺がハードルを飛び越えるとは思っていなかったのだろう、即座に悲鳴を上げた小泉が、俺の声で慌てたように首っ玉にしがみついてきた。

 …それはそれで走り難いんだが、まあここはガマンすることにしよう。

 2つ目、3つ目とハードルをクリアしていくうちに……前を走る武田の背中も、より近くなっていく。