Anniversary


『ぅおっとう! ようやくトップの走者が出てまいりましたね!』

 数分の後……そんな中、案の定というか何と言うか……突っ込んでいった反対側にあるテントの出口から、真っ先にアタマを出してきたのは高階。

 続いてその後ろ、テント内から引っ張り出されるように出てきた小泉を……、

 見るなり俺はガックリと脱力しそうになった。


(―――よりにもよって、ゴスロリかい……!!)


 何て言うか、白いフリル過多のメイド服のようなエプロンドレスのような…黒地のそれに身を包んだ小泉は。

 似合わないのでは無い。

“似合い過ぎ”てる。

 いや力説するけどマジでホントに。

 あまりにも似合い過ぎて……逆に脱力。

 あんなフリフリビラビラの洋服を、ここまで可愛らしく着こなせる人間も、そう滅多に居ないに違いない。

 しかもサスガ高階、服をカンペキに着せただけでなく、頭にもシッカリ共布のフリフリ満載ヘッドドレスを忘れてはいない。

 その姿は、まるで等身大のフランス人形がスニーカー履いて走ってるよーなモンであり。

 しかし、そう思っているのは俺だけでは無いだろう。

 その証拠に……そんな小泉がテントから全身を出した途端、観客は一斉にどよめいてたし。

 隣では武田が、「あの子めちゃくちゃ似合ってねえ…?」なんてビックリした呟きを洩らしてたし。

 おまけにスピーカーからは、『なんとゴスロリです! 可愛いです! 似合い過ぎです小泉選手!』の連発が聞こえてくるし。

 ――コレこそ、マニアが大勢いることだろうな。

 よかったなー小泉、これでまたファンが増えたぞ。

 …とは、サスガに三樹本を前にしちゃ言えないけどな。恐ろしすぎて。