Anniversary


 真っ先にアタマ1つ分前に出たのが高階。

 サスガ、リレーの選手にも選ばれているだけのことはある。

 その瞬発力はスバラシイ。

 …あのスバラシイ反射神経の無さを誇る小泉を片手に引きずっているにも拘らず、だもんな。

 そして1位のまま、第1関門に突っ込んでゆく2人。


 この《部活動対抗障害物リレー》、第1の障害。―――それは“着せ替え”。


 自分でも言ってて馬鹿らしいと思うが……でも事実なのである。

 その馬鹿らしい“着せ替え”という名の障害物は、指定された格好に“バトンを着替えさせること”でクリアとなるのだ。

 走っていった高階が、地面に置かれた紙を拾い上げ、目を通すや否や、コース脇に用意されていた衣装の中から1つを選び出し、用意された中が見えないようになっている“お着替え用テント”に突っ込んでゆく。

 ――ちなみに……ココでの衣装提供は主に演劇部。あとその他もろもろ。

 よって、この最終レースに至るまでに、ものごっつう正視に堪えない姿となったバトン各位もちらほらと見受けられた。

 例えば、男のセーラー服とか。男のシンデレラとか。

 …笑うに笑えないから。

 サスガにバトンが女子の場合、そういうことは無いだろうと思うが……それでも前例を考えると不安なのは確かである。

 しかし、あの高階が付いているのだ。きっと何とかしてくれるだろう、という根拠の無い期待もあるし。

 ルールの上では、バトンは自分から動くことを許されない。

 全て走者によって着替えは為されないと、その場でペナルティ。

 …彼女たちが突っ込んでいった“お着替え用テント”の中にもシッカリ係の者がスタンバっており、抜け目なくチェックの視線を光らせているハズだ。