小泉が入部してきてからコッチ、ヤツら3人からのお達しを守り、周囲に対して一見“別にカノジョじゃーアリマセン”って風なフリを見せつつ、
――でもチャッカリ、不必要なくらいにキワドイすっげえラブラブっぷりまでも見せ付けては、それを小泉狙いの男どもへの牽制にしてたりもして。
『まだ高校生のクセして……あんなにも屈折した独占欲を持てるヤツなんて、初めて見たぞ俺は』
いつか言ってた碓氷センセーのシミジミしたタメ息まじりの言葉に、俺も同感。
きっと三樹本は、たとえウチの部の3人に件の“箝口令”を敷かれなかったところで……それでも、やっぱり同じように何食わぬカオをして、小泉には絶対に知られないような…でもハタから見れば判り易い独占的愛情表現でもって、彼女は自分だけのものだ、っていう事実を周囲に対して“これでもか!”ってくらいに見せ付けては牽制してくれてただろうからな。
現に、小泉が“自分がモテている”ってコトに気付いてないのも、本人がニブい以上に、そんな三樹本の影ながらの牽制が効いているのだと思われる。
…ホント、冷たいんだか熱いんだか、よく分からない食えないヤツ。
フと逆の方向を振り返ってみると、レーンの中、三樹本が隣に並んだ坂本と笑顔で談笑してる姿が目に入る。
改めて俺は、思い出したようにタメ息を吐いた。コメカミに浮かんできた血管を押さえながら。
(――よりにもよって“隣”だし、こんちくしょうっ……!!)
『そして、優勝候補のもう一角! 第4コースは皆様お馴染み生徒会チぃーーームっ!! ついでにバトンもお馴染み、2年C組、吉原生徒会長でっす!!』
そこで響いたチーム紹介のアナウンスに、再び俺はゲンナリする。
スタート地点に視線を戻せば、ウチの高階と小泉の隣で、客席に向かい手をブンブン振ってはピョコピョコ跳ねている由良の姿。
この競技にこんなこと言ってもムダだと思うから敢えて言わないが。
―――絶対に仕組んでるだろ、この並びは?
ちなみに、例の《三連山》の面々は……アンカーの坂本をはじめ、第2走者に田所、第3走者に葛城。
そして、いま由良の隣にいる第1走者と俺の隣にいる第4走者は、現生徒会役員の書記&副会長だ。

