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『さーて、この《部活動対抗障害物リレー》も大詰め、いよいよ最終レースとなりました! ココでようやく、当競技きっての好カード、優勝候補の双角であります生徒会チームvs天文部チームの戦いの火蓋が、切って落とされようとしているワケでございます!』
相変わらず好き勝手なこと言ってやがるぜ…と、そのアナウンスでワアッと盛り上がりを見せた会場の空気の中で、少々ゲンナリとしつつ俺はボヤく。
ホント相も変わらず、“自称・『放送部の《Kinki Kids》』”とやらのヤツらの喋りっぷりは健在で、なんとなく腹が立つ。
…つーか、競技が始まってからコッチ、ずっとあの調子のアナウンスを聞かされていれば、最終レースを迎える頃にもなれば少々食傷気味にもなるってマジで。
ゲンナリついでにスタート地点を眺めれば、各部それぞれのユニフォームの中に紛れて、黒一点、スッと立つ高階の学ラン姿が良く目立つ。
――ちなみに、この競技に参加するに当たって、各部ユニフォーム着用は必須! である。
俺たち天文部のように“ユニフォーム”というものを持たない文化部や同好会なら学校指定の体操着かジャージでの参加で済むが、運動部のように、練習用・試合用問わず、何かしら揃いのユニフォームを持ってる部がホトンドだからな。
…たとえば剣道部なんて、防具一式シッカリ身に着けて走らなくてはならないから災難だ。ああ可哀想に。
そういった点でも、この競技は観ている目にしてみれば、とてもニギヤカだし楽しめる。
その中にあって特に目立つのが、真っ黒い学ラン姿。
やっぱり“黒”というのは、良かれ悪しかれ、とても目立つものなのかもしれない。
そういえば先のレースで既に走り終わった応援部チームの面々も、ユニフォームとして黒い学ラン着用で走っていたが、一緒に走っていた他のチームの彩も豊かなユニフォームや白い体操着に比べて、すげえ目立っていたような気もする。
…イヤただ単に、走者メンバーがムサくてゴツイ男ばかりだったから、っつーのもあったからかもしれないが。

