俺が何を言っても、黙ってゲンナリと疲れ果てている、その姿は。
――なんでそんなにノリが悪いんだキサマら……?
イヤ、別に競技に“ノリ”は必要ないけれども。
それにしたって、仮にも“チーム戦”であるからには、適度に気合は入れてもらわないと。
しかもコレの勝敗には、“部費”の獲得が懸かっているのだ。
「…ったく、何を始まる前から疲れ果ててるんだオマエらは」
言ってやった途端、即座に「そんなこと言われても…」という3声ユニゾン。
――ホント、こういう時だけ“ナイスコンビ”だよなウチの1年どもは。
「でも部長……なんてゆーかコレ、見てるだけで『疲れ果てて』きませんか……?」
――そりゃそーだ。…なにせ、この競技は“そういうもの”だからな。
1年部員の面々が見ている先には、既に始まった《部活動対抗障害物リレー》の競技模様。
現在、俺たちはグラウンドの中央で、その順番待ちをしていたトコロだった。
周囲にも同様に走る順番を待っている部の走者メンバーがたむろっている。
走る順番については、予めクジで決まっていた。
俺たち天文部チームは何の因果か最終レース。
しかも、一緒に走る5チームの中には、チャッカリ生徒会チームも含まれている。
…絶対、クジに何か細工されていたとしか思えん。
でも、まあ……そういう全てをひっくるめても、この競技は“そういうもの”であるのだ。
ゲンナリ告げた早乙女に、ニベも無く俺は「もう慣れた」と返してやる。
「サスガに、“人間がバトン”っつーのは初めてだけどな……でも、毎年こんなモンだぞ? この競技は」

