「ところで……なんで生徒会が“優勝候補”で、ウチが“対抗馬”なの? 運動部でも無いのに……」
やはり、そうコッソリ三樹本に投げ掛けられた小泉のソボクな疑問を聞き止めて、『おーっと、それはいい質問だあっ!!』と、即座に食い付いた放送部員。
『ナゼに生徒会が、並み居る運動部の面々を差し置いてまで“優勝候補”と言われているのか! ――ご説明いたしましょう、それはダントツに生徒会のバトンが“軽い”からでございます!!』
その言葉を聞いた途端、むむっと小泉の眉が軽く寄る。
…自分も同じバトン役、しかも“小さい”と言われることで過剰なまでに怒りを表す彼女のことだ、そうバトンの軽い重いで“優勝候補”とまで決められてしまうということに軽く抵抗を感じたのかもしれない。
『モチロン、生徒会チームのバトンは、皆様ご存知、いつもながら小柄で愛くるしい吉原生徒会長! 今日も相変わらずキュートです! アタマのお団子が何とも可愛らしい! そんな彼女より軽い人間は、全校生徒を見渡したところで、まず他には居ないでしょうっ!! しかも、そこまで軽い彼女を運ぶ走者には、前年度生徒会の立役者、コチラにいらっしゃいます屈強な《三連山》のお三方が揃い踏み!! 全校一の軽さを誇るバトンに、ココまでガタイの良い選手が3名!! そんなメンバーを揃えた生徒会チームこそ、“優勝候補”と言わずして何と言う!!』
そこで再び、うおおおおおっ! と盛り上がりを見せる応援席および一般客席。
そして観客サービスに余念の無い、手を振って声援に応えるヨユーなど見せる《三連山》の面々。
…このお調子モンどもめ。
『そして対抗馬! そんな生徒会チームに匹敵するのが、吉原部長率いる天文部チーム! やはり運動部を差し置いて、優勝候補に対する“対抗馬”として目されている理由は……まず君だ!! 1年C組、小泉桃花!!』
「ほえっ……!?」
振り返った放送部員により突然ビシッと鼻先に指を突きつけられ、目を丸くして小泉が三樹本の影に隠れたままパッタリと硬直する。
しかし、そんな小泉の様子など何のその、相変わらずの調子で中継レポの榎本はエキサイトしたままのテンションで言葉を繋ぐ。

