「だから平ちゃん? 本当に本当に、私たちの身の安全を考えてくれるなら、このレース……平ちゃんたちこそ、棄権してっ?」
「…却下! そんなもん、俺らの知ったこっちゃねえしっ!」
「いやーん、平ちゃんのヒトデナシーっっ!! 可愛い妹がどうなってもいいってゆーのーっっ!!」
「それくらいじゃどうもならねえだろ。…頑張ってコラえて勝手にどーぞ生き延びてくれ」
「平ちゃんは、リンダちゃんのオソロシサを知らないから、そんな悠長なことが言えるのよぉーっ!! ――これでもし仮に、優勝できない、なんてことになったら……どんなオソロシイ目に合わされることか……アタシ、確実に地獄行き……!!」
『―――聞こえてるわよ、由良!』
…とソコで、ふいに大音量でスピーカーから響いてきた、その声に。
途端、ウラミツラミをツラツラと言いかけていた由良が、出しかけていた言葉も出せないままに、そこでパッキリと固まった。
『ヒトの悪口を言うのなら、当人には聞こえないトコロで言いなさいね』
「な…なんで……?」
硬直したまま背筋に冷や汗ダバダバ流しているだろう、そんな状態で呆然と呟く由良の横に……フと気が付けば、ヒッソリと1本のマイクが向けられている。
『――ハイ! …というワケで、これからいよいよ始まります《部活動対抗障害物リレー》!! 各部チーム、選手の皆様が続々と集まってきては早くも白熱しております入場門の様子を、まず真っ先に中継させていただきました! この競技は生徒会主催ということもあり、コチラ放送席には、主催者でございます生徒会会計の梨田さんを解説にお招きしております! どうぞよろしくお願いします!』
『こちらこそ』

