『C組の点数のためにも頼みます先生っ!!』
マイクを向けられて、しおらしくそんな“お願い”をする小泉の声は……明らかに笑いを噛み殺してるし。
そのうえ、これで点数が入ればC組逆転は確実、ということもあるからか、C組応援席からは『お願いしまーす!』コールの大合唱。
しかも、敵対する他のチームからでさえ、それを妨害する声など聞こえてきやしない。
かろうじて現在1・2位の、これで逆転されると解っているA組D組の一部生徒から、申し訳程度にブーイングが出ているくらいだ。
――やはり所詮、思春期真っ只中の高校生、皆このテの話題への食い付きがスバラシイ。
『可愛い生徒に、ここまでお願いされちゃってますのに……ソレを先生は無下になさろうというんですかっ!?』
『…ったく、分かったよ! 言えばいいんだろ言えば!』
そこで腹を括ったか、ようやく出たセンセーからのヤケッパチ的な肯定の返答で……再びどっと会場が湧いた。
『はーい、じゃあ話してもらいましょう~! 先生、アナタは既に“脱★チェリー君”してますねっ?』
『……してます』
キャーーーーッッ!!
――と、そこで更に膨れ上がった甲高い女子生徒の嬌声。
ああスゲエ。この騙されている女子の数ったら。
『これでいいだろ、もう?』
『よくないです! どういった状況で“脱★チェリー君”を迎えたのか、そこんところを詳しくお伺いいたしませんと』
『んなっ…!? ――そ、そんなことまで話す必要は無いだろうがっっ……!!』
『いーえ、ありますっ!! 先生がチームのためにウソを吐いていないとも限りませんから、念のために』
『誰がウソなんて吐くか!! 第一、俺が「童貞だ」つっても信じなかったのはソッチだろうが!!』
『何と言われようと、そこを聞かなきゃ皆さん納得できませんよー? ――そうですよねー皆さーんっっ?』
そして再び、全校生徒一丸となったかのような「うおおおおおーっっ!!」と鳴り物付きで返ってくる返答。

