考えてみたら、碓氷センセーも“指名手配犯”に指定されていたハズだ。
この碓氷センセーこそ、イヤガラセとばかりに真っ先に捕まらないよう逃げ出しそうなモノなのだが……1-C副担任でもあることだし、相手が1-Cの小泉でもあるし、ここはC組の点数のためにと大人しく連行されてくれたのだろう。
やれやれ…と俺もタメ息を吐きつつ、ヘタり込んだ葛城の手の中から、抱えられていたままの救急箱を取り上げて、早乙女に渡した。
「これで三樹本が縛られてる理由も無くなったことだし……いい加減、切ってやれ」
そして俺は再び、グラウンドのゴール地点へと視線を投げる。
「…おい、しかも大活躍だぜ小泉」
運動音痴である小泉としてはスバラシイことに、
――どうやら結果は“1位”だったみたいだ。
見てみろよ? と投げかけた俺の言葉に反応して、ヘタり込んでいた3人も、やっとビニールテープから解放された三樹本も、ハサミを救急箱にしまいながら早乙女も、一斉にゴール地点へと視線を向けて、そして一斉に「おお!?」と声を上げた。
「あの小泉が1位……? 奇跡だ…奇跡としか思えない……!!」
「なにはともあれ、デカしたぞ小泉!!」
「これで点数は3倍だし!! しかも、《WANTED》なら得点100点はカタイ! つまり300点はGETできるってコトか!?」
「しかも、プラス《バウンティ》100点分!! 上手くいけば、これで一気に順位も変わるぜ!!」
…現在のところのC組連合の総合順位は3位。
そして2位のA赤組との得点差は僅差の150点。
また1位であるD青組との得点差は550点。
「桃花が体育祭で活躍するなんて、初めてやん……?」
そんな三樹本の驚いたような呟きに被さるようにして、『さーて、選手の皆さんが揃いましたところで…』と、再びゴール地点からの中継がスピーカーから届いてくる。
ようやく査定に入るようだ。

