Anniversary


『―――おーっと、これは初っ端から大穴が出ましたーーーーッッ!!』


 ふいに、スピーカーがキーンと鳴るくらいにマイクを通して発された、ゴール中継の放送部員の、あまりにもエキサイトした大声。

 ナニゴトかと、一瞬目の前の3人のことも忘れ、俺も早乙女もバッとグラウンドを振り仰いだ。


『では発表します! 1位B組の選手に与えられた“指令”の条件とは……、―――ズバリ、「アナタの好きな人」!!』


 おおおっ…と客席からどよめきが走る。

 そして遅れて投げかけられる、からかうような囃すような口笛や嬌声。

 皆が皆、この“指令”の中身を聞いて、“これから次に起こるだろう展開”を、野次馬根性で期待しているのに違いない。

 所詮“他人事”であるならば、これは、この上なく楽しめる“見世物”であることに、相違はないのだから。

 その聴衆の“期待”を煽るべく……ゴール中継係が、楽しそうに言葉を継ぐ。

『では、それが正しかったのか、今ここで、証明してもらいましょうねー。…というワケで、どうぞ思いのたけを伝えちゃってクダサイ!!』

 途端、待ってましたとばかりに大声で湧き上がる生徒たち。


「―――なんってオソロシイ……!!」


 マイクを通して伝えられる『えー今ここでですかあ?』なんてクネクネしながらゴールで繰り広げられる白昼堂々の強制的告白劇を眺めやりながら、冷や汗と共に小さく呟きを洩らした早乙女にも、…ここでようやく、その『オソロシサ』が伝わってくれたようだった。

 ――な? エゲツナイだろ?