「何を言い出すかと思えば……こんな“指定された条件の人間を探してくる”というだけの《“借り人”競走》なんつーイロモノ競技の、一体どこが『オソロシイ』っていうのか……!!」
―――パン、パァン!!
そこで、早乙女の言葉を遮るように鳴らされた、銃声2発。
どうやら、それは“尋ね人捜索時間終了”の合図らしかった。
3分以内にクリアできなかった走者がゴールへと取って返していくのが見える。
「…まあ、ココを黙ってしばらく見ていろ早乙女」
「は……?」
そして再び早乙女が“なに言ってんだコイツ?”的いぶかしげな表情を浮かべる……、――と同時に。
『さあて、走者が皆ゴールへと戻ってきたようですねー』
被ってきた放送席からの実況アナウンス。
『それでは、いよいよ査定ですね! 果たして“指令”に指定された条件をクリアした人物を、各選手、探し出せているのか!? ――ではゴール中継の方にバトンタッチいたしましょうか』
『はーい、こちらゴールでーす! それでは僭越ながら、各選手の引いた“指令”を読み上げさせていただきまーす! …では、まず1位の方から。B白組の選手が連れてきた方は……おや、同じくB組の方ですね。お2人とも同じクラスですか? 1年B組の、…コチラお名前どうぞー?』
「…って、この茶番が何だって言うんですか!?」
まさに“ボクこれでもかなりガマンしてるんですっ!”とでも言いたげに怒りを湛え額に青スジを浮かべては呻くように言う、そんな早乙女も何のその。
「フフフフフ……これからが本番だよ、早乙女クン」
それを、相変わらず俺を動けないように牽制しながらのポーズで、勝ち誇ったような不敵な笑みと共に、坂本が告げる。
「俺たちがアタマを寄せ合って搾り出したアイディア競技のオソロシサ……充分に堪能してみるがいい」

