Anniversary


 ――ことの露見は、遡ることおおよそ今から20分ほど前。

“午前の部”の最後の競技に出場する選手に集合を促すアナウンスが聞こえて、俺はそろそろ応援合戦の方の準備だな…と立ち上がった。

 着替えやら何やらとあることだし、集合しなくてはならない時間よりも早めに集まって最終的な打ち合わせをすることを、予め決めてあったからだ。

 しかし……時間になっても、その集合場所に三樹本が来なかったのである。

 普段、時間に遅れるようなことの無い奴が……これは珍しい。

 ――つーか、何かあったとしか思えない。

 何となくイヤな予感に襲われつつ、早乙女を『ちょっと呼んでこい』と使いに出すも……『応援席には見当たりません』と帰ってくる始末。

 そこで俺はハッキリと確信した。

 ――ヤツらの仕業だ、と……!!


「…まったく、自分たちが目立たないとでも思ってるんですか先輩がた?」

 呆れたようにタメ息を吐きつつ、早乙女が、三樹本を縛って拘束しているビニールテープに手をかけた。

「アンタらみたいに必要以上にデカくて知名度のある人間が3人も集まって、挙句の果てに三樹本先輩まで拉致して連れ歩いてれば……目立たないハズが無いでしょうが」

 ――早乙女の言う通りだ。

 俺らが応援席で聞き込みをしたところ、あっけないほどスグに目撃情報が飛び出した。

『みみみ三樹本なら、ささささきほど《三連山》の方々に、つつつつつ連れていかれましたけどっっ……!!?』

 そそそそれが何かッ!? と、可哀想なくらい汗ダラダラたらしてはドモって答えてくれたソイツにとって……長ラン姿に長いハチマキ締めて『おい三樹本がドコいったか知らねえか!?』と怒鳴り込んで詰め寄った俺が、マジで怖かったらしい。

 ――これだからイヤなんだ学ランは。

 こんなにも俺は人畜無害な人間だというのに、ヘタにタッパがある所為か、印象がどこぞの“番長”だか“族長”だかになってしまう。

 ともあれ、それを聞いてすぐさま生徒会のテントへと直行しようと走って……いた途中、救護テントの中で養護教諭とノンキに茶ーしばいてはくつろいでいる件の3人を見つけて、即座にその場で方向転換、こうして駆け込んできたようなワケだった。