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「―――つーか、マジでやるかそれをッ!!」
このスカポンタンどもがーッッ!! と怒鳴りつつ、同時に目の前の3人を真横から本気で蹴り飛ばした。
横並びに並んで座っていた坂本・葛城・田所の3人が、ドンガラガッシャン! と派手な音を立てながら、折り重なるようにしてテント内のスミっこにまでフッ飛んでゆく。
うららかに晴れた体育祭当日。
…そして、ここは救護テント内。
「…って、イキナリ何すんだよ平良!!」
「その言葉、ソックリ返してやるぜテメエら!!」
バキバキと指を鳴らしつつフッ飛んだ3人の前に仁王立ちで屹立した俺は、
――既に何の言葉にも聞く耳ナシ。
「こちとらなあっ……これから応援合戦やら控えて忙しさの余りに殺気立ってるんだよッッ……!!」
口許をヒクヒクさせながらそれを言う俺のイデタチは、黒い学ラン姿。…しかも長ラン。
そして額には黄色い長ハチマキ。
語るまでも無く、俺たちC組応援団の応援合戦に臨むコスチュームである。
「そんな殺気立ってるってー時に……コレは何だ!!?」
おまけに白い手袋まではめた手で、俺がビシッと人差し指を突きつけた、その先には……、
―――パイプ椅子に座らされビニールテープでグルグルに縛られた挙句、ガムテープ貼られて口まで塞がれている、…三樹本の姿。
「このクソ忙しい時にカンジンなウチの副団長、なァーに誘拐してやがるんだよキサマらは!!?」
言った途端、「あ…あれえっ…?」と、3つの引きつり笑顔と共に発せられるマヌケな3声ユニゾン。
「ななな、なァんで……?」
「ココが……?」
「わかっちゃったのかなぁ……?」
「わからいでか、この3バカモンがーッッ!!」

