Anniversary


「…まあ、とりあえず聞け。そこの3バカども」

 とりあえず目の前のコイツらをグウの音しか出ないくらいにまで黙らせた後……おもむろに俺は、口を開いた。

「オマエらの策略のお陰で…つーか、ぶっちゃけホトンド三樹本のお陰だけど。…ともあれ、そんな昨年からの活躍が実を結んで、今年度の予算額は例年に比べて何となくupしている。――しかし、いくら俺たち3年は今学期限りで引退するとはいえ、ココへきて俺たちが頑張りを放棄したことにより、せっかく増額された部費が再び減額となるのは、後に残す後輩のことを考えても、それは忍びない」

 どうせコイツらのことだ、こんな引退間際になってまで来期の部費云々の心配をするのも、とりたてて残してゆく後輩のためなんかでは無いだろう決して。

“2学期一杯で引退”というカタチを取ってみたところで、その後もアタリマエのように、コイツらが部員として居座り続けていく気なのだろうことは間違い無いし。

 その時の居心地を今後の部費云々で左右されてたまるか、というトコロが、おそらく本音なのだろう。

 …まあ部費という点においては、今年度の“部長”として、確かに俺も多少は甘い汁を分けてもらったよーなワケだからな。それは事実だし。

 そこらへんの礼儀くらいは、たとえコイツらにとはいえ、尽くさねばなるまい。

「つーワケで。――俺から1つ、策を授けてやろう」

 言った途端、即座に3声ユニゾンで「マジでっ!?」と食いついてくる、俺の目の前に並ぶ、かつての《生徒会三連山》。

 その威光は、微塵も無し。

「――てゆーか、さあ……?」

 まず考えてもみろよ? …と、その姿に呆れつつ俺は、淡々と言葉を繋ぐ。


「そもそも、オマエらが山田あたりに先回りして根回しするなり圧力かけるなりしとけば、それで済む話じゃねーの? たかが小泉の出場種目云々なんて」