Anniversary


「俺たちの辞書に、そんな4文字熟語なぞ無い!!」

「…じゃあ勝手にすれば?」

「うわあああごごごごごごめん平良くん!! 俺たちが悪かったー!!」

「だからお願い、見捨てないで!!」

「――あのなあ……」

 そうやって、自分らの都合のいい時ばかり“くん”付けされて頼られて泣き付かれても、さあ……ゲンナリした俺は、作りかけの黄色いポンポンを机の上に放り投げ、フーッと改めてタメ息を吐いた。

 そして改めて、クルリと椅子ごと背後を振り返る。


「…つーか、元はと云えばオマエらが撒いた種なんだぞ? 私利私欲のために三樹本を“利用”してきた、テメエらが悪い!」


 言い方は悪いが……つまり、そういうことなのである。

 マジメに三樹本は、いわゆる“美形”と呼ばれる類の人種である。

 間違っても“女顔”では決してないが、それでもオンナノコ好みのイケメン、と云えるかもしれない。

 おまけに、そのチャラい関西弁の所為でか、誰に対しても人当たりの良い人気者。

 しかも、間違いなく年上のオンナから可愛がられるタイプでもある。

 ――ようするに、入部した早々から、そこを狙われてしまったワケだな。ウチの極道3人組に。

 入部してきてからコッチ、ホトンド体のいい“客寄せパンダ”だったもんなー三樹本は。

 より多くの部費を獲得するための“エサ”として、人並み以上にカオと愛想と要領の良い三樹本を、サンザン可愛がってはコキ使って引きずり回してきたコイツら3人の所業には……“利用”と云う言葉以外の何で言い表せるとでも言うのか。