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《WANTED! ~ミッション・イズ・『ウォーリーを探せ!』トライアル☆(“借り人”競走)》とは。
――まあ、ヒトコトで言うなれば、一般的な“借り物競走”と同様の競技種目である。
何が違うのかと云うと……世間一般で云う“借り物競走”とやらの“借り物”は、あくまでも“物品”であるのに対し、この場合、それが“人間”であるというだけのことだ。
かといって、文字通りに人間を“借りて”くるということでは無く。
――ようするに“探して”くるのだ。
それが、つまり走者に与えられる『任務(ミッション)』、というワケである。
ルールも世間一般の“借り物競走”と、ほぼ同じ。
スタートの合図と同時に走っていって、“指令”の書かれた紙を取る。
そこに指定された通りの条件の人物を会場内から探し出し、その人物を連れて最も早くゴールまで辿り着いた者が勝者となる。
加えて、当競技オリジナルのルールとして。
捜索の制限時間は3分間。
時間内に探してゴールまで連れてきても“指令”により指定された条件と合わなければ、その場で失格。
選んだ“指令”の条件により点数は異なり、その点数が1位は3倍、2位は2倍、3位は等倍、となって加算される。
4位以下には、点数の加算は認められない。
…等がある。
ザッと大まかに説明すれば、こんなトコロだ。
(ただ単にそれだけのこと、なんだが……その“それだけ”がクセモノなんだよなあ……)
言わずもがな……モチロンこの競技においても、企画考案の“元凶”は、ヤツら《生徒会三連山》の面々だ。
プラス、山田やら体育祭実行委員会上層部。
皆してフフフフフ…とブキミな笑い声を立てつつ3-Cの教室でアタマを寄せ合い、あーでもないこーでもないと、よりにもよって俺のすぐ近くで、ヒソヒソと話し合いをしていたことは……まだ記憶に新しい。
――その様子をハタから漏れ聞いていて……絶対にこの競技にだけは関わりたくはないぞと、心の底から力強く思ってみたものだった。

