「――で…? なーにを揃って硬直してるんだ、そこの3人?」
廊下を去っていく2人の足音を聞きながら……小泉が席を外したのをキッカケに、これまでずっと硬直したままで居たらしい背後の3人に、そこで俺は言葉を投げる。
――なり、それが合図だったかのように途端にバッと動き出し、机の上でヒソヒソと頭を寄せ合ったソイツら。
「…つーか、これはヤバくね?」
「ヤベエよ絶対! まさか小泉が…なんて……!」
「マジで“天文部存続の危機”にさえ、なりかねんッッ……!」
そんなヒソヒソ声の密談を聞き止めて……思わず深々とタメ息が洩れた。
(原因は……小泉の《“借り人”競走》の出場かい……)
あーあー可哀想になー…と、崩れかけてきたヤツら3人の企みと、それに巻き込まれる小泉と三樹本のことを思い、コッソリと俺は呟いた。心の底からシミジミとした情感をタップリ込めて。
「…ご愁傷サマ」
―――ヤツら3人が、そうまでして慌てうろたえる理由に……実はもう、俺は既に気付いてる。

