Anniversary


「あーあー、全員参加のだけで2種目なら、別に何を悩むことも無いんだけどなー……結局、ジャンケンで負け残って余りモノ出場ですよアタシ」

「ほお…? じゃあ結局、その『余りモノ出場』とやらで何に出場することが決まったんだ?」

「あ! そうだ、思い出した! さっきの話ですけど……、――だから部長、《“借り人”競走》って、一体どんな競技なんですか?」


 ―――パサッ…!

 そこで背後から微かに、花札を取り落としてバラまいたような音が聞こえた。


 パッキリと硬直したらしい背後の空気が、そこで多少は気にかかったものの……「コレがどうもイマイチよく分からないんですよね!」と目の前で力説した小泉につられて、俺の意識はそちらへと向く。

「…なんだ? さっき言ってた『いまいちルールの分からない競技』って、それか?」

「だって、何ですか“借り人”って!? …確かに、プログラムには競技名として《“借り人”競走》なんて書いてませんけど! でも、カンジンな正式名称が《WANTED! ~ミッション・イズ・『ウォーリーを探せ!』トライアル☆》でしょ!? 余計わからないわよ! カッコして説明調に『(“借り人”競走)』って表記が控えめにあるだけじゃない!」

「…………」

 ――あーそういえば確かにそんな競技があったような…と、遅まきながら俺も思い出す。

 イロモノ競技の最たるモノだ。

 またよりにもよって、そんなモンに……、

「……出るのか、ソレ?」

「だから、『出るのか』も何も、負け残りジャンケンで決まっちゃったんですってバ! そんなだから、ルールも分からなくて困ってるんじゃないですかー!」

「あーそうなんデスか……」

「もう、ちゃんとマジメに教えて下さいよーっ!」

「『マジメ』も何も……」

 ――所詮、コレもやっぱり背後のギャンブラー3人が企画して作った競技だというのに……果たして『マジメに』ルール説明なんて、出来るものだろうか……?