「…てーか、オマエらも居るなら手伝え」
作業のあまりの面倒くささとビニールテープの発する静電気に次第にイライラして、背後を振り返りつつ、ウンザリしながらボヤくようにそんな言葉を投げてみるも……案の定、何の返答も返っては来ず。
――俺の背後には……例によって部室に溜まりに来てギャンブルにウツツを抜かす《三連山》の面々、坂本・葛城・田所の3名。
さすがに今は小泉が居るからタバコは吸っていないものの。
やっぱり机を囲んで、…今日は黙々と花札デスカ。
「それよりも、こんなトコでサボってていいのかよ? いい加減に戻らないと、また梨田サン捜しにくるんじゃねーの?」
今のコイツらには何を言っても聞こえてないと分かってはいつつ……やるべき仕事も放っぽらかして好き放題しやがってるコトへのイヤミ的要素を多分に含んだ口調でもって、それを言ってみた。
――途端、返ってくる即答。
「大丈夫! 今の時間はリレーの練習中とかで席外してるから」
「こりゃ1時間はカタイだろ」
「鬼の居ぬ間になんとやら、ってね♪」
「………聞こえてるなら手伝えキサマら」
「――いーですよ部長。ヘタに先輩方に手伝われたら何が出来上がってくれるのか分からないし……」
そこで深々としたタメ息と共に投げられる、小泉の呆れたような呟きで。
俺も「まったく…」とボヤきつつ、視線を再び手元のビニールテープへと戻した。
――ナニゲに小泉も分かってきたよな、コイツらの扱い方。
入部したての当初は、アイツらのやることなすこと全てにいっちいち目クジラ立てては怒鳴りまくっていたようなモンだったけど。
それとも既にアキラメが入ってきただけなのか。
「そんなことより、さっきの話の続きですけど。…体育祭のイロモノ系競技で、いまいちルールの分からない競技が幾つかあって」
…そうだった。『さっきの話』で俺たちは、「なんだかウチの学校って、意外と多くないですかイロモノ系競技?」「そりゃあ、なにせトップに立つ生徒会がコイツらだからな」なんてコトから始まって。
…で、『コイツら』と話題が出たトコロで、思い出したように、俺の背後に居たギャンブラーどもへ「手伝え」と話を振ってみたのだった。

