Anniversary






 体育祭も目前に迫ってきていて、全校ぐるみで慌しいムードに包まれ始める、…そんな時期。

 普段と同じように、放課後、天文部の部室で溜まって、体育祭の競技のことなど他愛も無い話をポツポツとしていた時のことだった。

 体育祭におけるクラスの役割分担で小道具係になったという小泉は、C組が体育祭の応援用で使うポンポンを作っていた。

 椅子の上に座った膝の上にチームカラーである黄色のビニールテープを広げて束ねて切って縛って1本1本を細く裂いて…と、それをクラスの人数分。

「いま教室は大道具係がクラス看板広げてるから居場所がなくって…」と、だから小泉は部室までやってきたらしい。

 ――彼女の言う『クラス看板』とは、体育祭の当日、各クラスの応援席の背後に掲げられるPR看板のことである。

 作りは各クラスで自由だが、大抵は1・2・3年で話し合い共通したデザインにすることが多い。

 少しでも自分たちが目立つように力を入れて凝った作りをするチームがほとんどだ。

 なぜなら、クラス看板も当日のチーム点数に大きく影響するからである。

 つまり、看板も採点対象であったりするワケなのだ。

 …それも、“投票”という手段によって。

“クラス看板”に、各チームの応援団員による“応援合戦”、そして競技中の応援席での“応援模様”。

 ――この3つについては、先生方と一般客による投票で点数が付けられる。

 その獲得票数により加算される点数が決まり、本当に最後の最後、全部の競技が終了した後の点数に、その集計結果を加算されることとなるのだ。

 だから各チームはどこも、この3つには手は抜かない。

 ひょっとしたら“最後の最後で一発逆転!”ってのもあり得るんだからな。

 手なんか抜けるドコロじゃない。