「あのなあ……言わんとしてることとその気持ちは充分に良く分かるが、――それも却下!」
「「なんでッッ……!?」」
だからどうしてウチの1年生は、こういう時だけ、とてつもなく“ナイスコンビ”っぷりを発揮してくれやがるんだ……。
「さっき言っただろ? 『このレースは生徒会主催』だ、って。――よーするに生徒会も、自分トコの運営資金を別の部に“部費”として持ってかれるワケにはいかねーから、必死で対抗してくるワケだ」
「…ちょっと待ってください!? 優勝賞金って、生徒会運営資金から出てるんですか!?」
「ああ、そうだよ。学校側からは、ハッキリ言って賞金なんてビタ一文も出さないって。教育的立場からしてみても、学校行事に関わるものに賞金なんか出せねーだろうよ。それに、あくまでもコレは“生徒会主催”で“エキシビション”なモンだしな。…つーか、こういうコトが出来るように生徒会も学校側から予(あらかじ)め“運営資金”としての予算ぶん取ってるワケだし。そしたら必然的に、そこからの捻出、ってコトになるだろ?」
「――て、ゆーことは……」
「坂本先輩たち3人って……」
さすが2人とも理解が早い。
てーより、奴ら《三連山》の名前が、これほどまでに生徒の間に浸透している証に他ならないか。
「ああ、ヤツらはあくまでも“生徒会側”の人間だからな今回ばかりは。本人たちにヤル気は無くても、結局は会計の梨田女史に首根っこ掴まれて強制的に参加させられるだろ。…彼女にケツ引っぱたかれちゃあ、必死にやらざるを得ないだろうしな」
そこでノンキにも、「えっ!? あの3人って生徒会のヒトだったのっ!?」と驚いたような声を上げる小泉のことは……、
――俺も、敢えて聞かなかったことにする。
この高校で生活していて、どこをどう歩いてきたら、あいつら3人の話題を避けて通れるのか……全くもって不思議でならないが。

