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「…てなワケでメンツも揃ってくれたことだし、ココに居るメンバーは全員《部活動対抗障害物リレー》の参加メンバーに決定な?」
と言った俺の前には、天文部の数少ない常駐部員4名。
三樹本、小泉、高階、早乙女。
プラス顧問。
場所は天文部の部室。
ホトンド倉庫の様相を呈している狭苦しいこの部屋には、会議をするような気の利いた机など、当然、用意されているハズも無く。
結局、思い思いの姿勢で好きな場所に立っていたり座ってたりで、窓辺に立って話す俺の方を注目していた。
そして言った途端、その場にいた全員が目を丸くして……加えて1年生連中3人の顔に、キッパリとクエスチョンマークが浮かぶ。
――それもそうだろう。2・3年生にとっては馴染みであるこの種目も、1年生にしてみたら“そんなものがあるのか”というものに違いない。
「先日の部長会において、今年もやっぱり体育祭で《部活動対抗障害物リレー》…別名《“梨田”杯(カップ)》が開催されるとの発表がありました。…よって、ココに居る部員は参加必須! 異議申し立ては認めません。当日不参加も不可デス。逃げたらペナルティ。心して臨むように。…何か質問は?」
続けた俺の言葉を受けて、目の前から一斉に「ちょっと待て…!!」との返答が降ってくる。
すげえ、5声ユニゾンだし。
「『質問は?』って……そもそも何なんですか、その《部活動対抗障害物リレー》って……!! しかも《梨田カップ》って……!!」
真っ先に噛み付いてきたのは、案の定、小生意気な1年坊主・早乙女。
それ以上なにか言い出される前に、俺は「いーい質問だ早乙女!」と、そこで一旦ヤツの言葉を止めておく。
「《部活動対抗障害物リレー》っつーのは、いわば体育祭のイロモノ競技だな。開催時間は昼休憩の時間。…まあ、“昼メシ時のお客さんの目を楽しめるため”という点ではエキシビションのようなモンで、クラス対抗のチーム点数には一切関わりの無い、ただ単に全校の運動部・文化部・同好会単位で競い合う競技、ってだけのモンだ。…ちなみに、校内の運動部・文化部・同好会問わず、委員会を除いた全ての団体において参加必須。…とはいえども、棄権はアリ」

