(つーか、俺の“ここで会ったが100年目”的この怒りは、一体ドコへ持っていったらいいものか……)
ひょっとしたらイチバン可哀想なのは俺かもしれない…と、不完全燃焼で爆発したままの怒りを持て余し、フウと切なくタメ息を吐いてみた途端。
「――やーっと静かになってくれたか……」
そんな声と共に、部屋の奥からギシッとソファが軋む音がして。
「…ったく、入れ替わり立ち代わり駆け込んできては騒ぎやがって。――ココは駆け込み寺じゃねえんだって、アイツらによく言っとけよ吉原」
「…………」
案の定、振り返った先には、再びソファに寝そべってタバコに火を点けようとライターをカチカチやってる顧問の姿。
「センセイ……心の底からシミジミと、『あの生徒にしてこの教師あり』って、思ってみてもいいデスカ……?」
「オマエの地学の点数に影響が出てもいいなら、好きに思え」
「…憲法で保障されているハズの『言論・思想の自由』はドコへ?」
「そんなもん、とっくに憲法改正のアオリを食ってドブの中だ」
「…………」
そんな不穏なことをシラッと言っては、フーッと深々と火の点いたタバコの煙を吸って吐き出す、センセーの仕草を眺めやりつつ。
俺は再びタメ息ひとつ。――めっちゃくちゃ深々と。
…まあ、こんなコト言うこのヒトが、実は言ってるホド極道なヒトじゃない、ってことは、ちゃんと分かっていることだけどもね。
…そもそも、ここまで口の悪い教師も珍しいよな本当に。
「くつろいでるトコ悪いけどね、センセー。…俺は別に、ココに怒鳴り込みに来たワケじゃないんだよね」
「は……?」
「センセー探しに来てみたらアイツらが居たもんで……つい、積年のウラミつらみが爆発してしまってさー……」
そこでようやく訝しげにコッチを振り返ってくれた碓氷センセーを眺めやり、俺はニッコリと笑ってみせた。
「体育祭のことで、センセーに頼みがあって。――ちょっくら部室まで来てもらえませんか?」

