Anniversary






 かつて、ウチの高校において絶対的な権力を誇った生徒会組織があった。

 それまでは、在るのか無いのか分からないくらいに存在の薄かった〈生徒会〉という組織そのものを、それは根本からガラリと変えてしまった。

 何をどうやったら、そうなるのか……ヤツらの意図なんて俺には知る由(よし)も無いし、やったことをイチイチ数え上げればキリも無いので省くけど……少なくとも、生徒の誰にも興味を向けられることのなかった生徒会を、生徒の誰からも親しまれるものにまで変えた功績は、確実なものである。

 当時の生徒会役員は現在でも生徒の間では“名君”と畏れられ、引退した現在も尚、現役生徒会組織のバックで校内において絶大な権力を誇っている。


(――絶大な権力を誇っている……ハズの奴らが、“コレ”かい……!!)


「…入ります。――さァ、張った張った!」

「半!」

「オレは丁だ!」

「さァさァ、半と丁、出揃いました! …よござんすか? よござんすね?」


 ―――ガゴッ……!!

 ふいに俺は無言のまま、“ヤツら”が囲んでいる机ごとサイコロを蹴り上げた。


「ああっ…!!」という3つの声と共に、転がったサイコロの行方を追った3つの視線を。

「テメェら、なあっっ……!!」

 これ以上は無い! というくらいに低い声で呻いて呼びかけ、自分の方に引き戻し。

 すると、即座に視線と共に返ってきたのは……、


「ななななな、なんてことするんだ、平良ーーーっっ!!」

「くっそー、俺の明日からの昼飯代がっっ……!!」

「無粋だぞ平良!! オマエ神聖な賭場で何てことしやがる!!」


「――じゃっかーしいッッ!!!」


 そんな、狼狽・嘆き・怒り、その他もろもろのウラミ声を俺は、そのヒトコトで一刀両断に切って捨てる。