それから1時間が過ぎ様とした時、玄関のドアがま開く音がした。
私はすぐに立ち上がり玄関へと小走りで進むと、目の前にはいつもと何一つ変わらない彼が居た。
「悪かったな。放置して」
「…それはいいんだけど……ずっと仕事だったの?あなたは大丈夫なの?」
「ああ。思ったより仕事が長引いてな。大丈夫って何がだ?」
「あ…いいえ。何かトラブルにでも巻き込まれてるんじゃないかって…思ってたから」
「フッ。ガキ扱いすんな」
男は鼻で笑うとリビングへ入ると着ていた上着を脱いでバサッとソファへとかけると、そのまま浴室へと入って行った。

