秘密な契約と掟破りな愛


「そうなの。よし、これで取り敢えずは大丈夫だと思うけど…傷が深いから医者に見て貰った方がいいと思うわ」


「ああ。ありがとうな。悪かったな…手当てまでさせて」


「いいえ。これぐらいおやすい御用だわ。あなたは嫌そうだったけど」



半笑いに笑みを浮かべると、私はさっき下で会った女性の事が何故かチラッと頭に過ぎった。



「ねぇ、さっきの事なんだけど……もしかしてあなた…婚約披露されるんじゃない?しかも…公衆の面前で…」


「…多分な。俺が否定出来ない環境を狙ってるのかもな」



何それ……私、そう言うのって凄い腹立たしいんだけど……立場を利用した卑怯な人は大嫌い…。