秘密な契約と掟破りな愛


「ちょっとな。それより着いたぞ。さっさと降りろ」


「……ちょっとなって…血の匂いがするわ。何処を怪我してるの?手当てしましょうか?」


「嫌。舐めときゃ治るから大丈夫だ」


「……見せて」


「いちいち突っ込んで来るな。大丈夫だって言ってんだろ」


「……あなたが怪我を見せてくれるまで…車から降りないわ。私…本気よ?」



持っていた鞄から手を離すと、再び真っ正面を向いてシートへと凭れた。血の匂いからして大丈夫な筈ないじゃない。ごまかされないわよ。