「………っ……」 周りの人達の叫び声と共に左腕に激痛が走る。熱くて痛くて何が起きたかわからない…。 「チッ。コイツは連れて行く。身代金要求するのにもって来いだ…」 銃を握った男は私が抱きしめていた子供を抱え上げる。 …ダメよ………この男は…平気で…人を殺してしまうに違いない…。この子の命が危ない…。 今、この子を一人にしちゃダメ……。 私は去って行こうとした男の足を掴んで立ち上がった。