お前は瞳に涙を溜めたまま、また来るといい残して部屋を後にした。 部屋を出て行く後ろ姿を見て、思わず抱きしめてしまいそうになるのを握り拳に力を入れて堪えた。 「……くそ…」 もう、これ以上、俺の中へ入って来ないでくれ…。お前にはもっと相応しい男が沢山いる。 俺の事は……諦めてくれ。