暫くして男がリビングへ戻って来るとキッチンへ入りグラスに水を入れると一つを私に差し出してくれた。 「ありがとう。頂きます」 「…お前、名前は?」 「あ、言ってなかったっけ…?私は水谷 朱里(ミズタニアカリ)」 「竜崎 慎矢(リュウザキシンヤ)だ」 「慎矢さんね。今日は本当にありがとう」 「何だ今更。声掛けない方がよかったんじゃないか?」 「どう言う事?あの男なら簡単に寝てくれそうって事がいいたいの?私だって相手ぐらい選ぶわよ」 フッと鼻で笑う男…。