恐怖の余り声が出せず、
私は必死で抵抗した。


「莉子ちゃん、落ち着いて。僕だよ」


聞き覚えのある声に顔をあげる。


…修ちゃん。


私は修ちゃんに前から抱きしめられていた。


そして私の後方で鈍い音が聞こえる。


「大丈夫か?!」


振り返るとそこには玲ちゃんと、さっきまで私の後ろで歩いていた人が倒れていた。