あれから孝ちゃんとも普通に接する事ができるようになり私はいつも通りの生活を送っていた。


「また雨…だね」


「雨って憂鬱…」


梅雨ってキライ。


なんだか気持ちまでじめじめしそう。


「何やってんだよ」


部屋から窓の外をぼーっと眺める私と孝ちゃんにお昼まで寝ていた玲ちゃんが呆れた声をだす。


「だってぇ、せっかくの土曜日なのに…」


そう言って私は外を指差す。


「若ぇんだから雨でも外で遊んで来いよ……修二と健三は?」


2人がいない事に気付いた玲ちゃんが孝ちゃんに尋ねる。


「修兄はバイトで健兄は練習。そうだ玲兄、車出してよ」


しばらく考え込んだ玲ちゃんが口を開く。


「……観たい映画があるんだけど3人で行くか??」


「何の映画?」


玲ちゃんが観たがっていたのは今話題の笑えて泣ける恋愛映画だった。


「オレそれパス。恋愛モノは眠くなる」


「莉子は行くよな?」


「うん、美佳からすごくよかったって聞いて、私もそれ観たかったんだ」


「じゃあ決定。孝、留守は頼んだぞ」


「お土産よろしくね♪」


私と玲ちゃんは映画を見に行くことになった。