その日の放課後、私は孝ちゃんの教室へ向かった。


「孝ちゃん、一緒に帰ろ」


「…莉子」


なんだか元気のない孝ちゃん。


周りの女子の視線がイタイ…




「莉子、今日はごめんっ!!」

帰り道、最初に口を開いたのは孝ちゃんだった。


「あんな事言うつもりじゃなかったんだけど…」


「うんん、私の方こそごめんなさい」


孝ちゃんは"何が??"って顔をしている。


「避けたりして孝ちゃんを傷付けちゃって…」


「いや、オレが莉子にそうさせたんだ。莉子にオトコとして意識してもらおうと思ってつい焦って…」


「孝ちゃんは私にとって弟みたいな存在で…」


「待って!!」


私がまだ言い終わらないうちに孝ちゃんがストップをかける。


「まだ答えは出さないで?挽回してみせるから♪」


最後はいつもの元気な孝ちゃんだった。