健三の言う通り、学校に人気はなかった。


健三は教室には寄らず、そのまま自主トレをしに、体育館へ向かった。





「莉子、昨日大丈夫だった?」


教室も生徒で賑やかになりつつあった時、登校してきた美佳が心配そうに私に話し掛けてきた。


「ごめんね、心配かけて。全然大丈夫だよ」


美佳に心配かけてたんだ。

私が元気さをアピールすると美佳は笑って自分の席に着いた。


チャイムが鳴り、生徒も揃い健三も戻ってきた。


「おはよー」


玲ちゃんが入ってきてより一層教室が賑やかになった。


「学級委員、昼休み社会科研究室に来てくれ」


「おれ昼休みは昼練でいね…いません」


健三、今絶対"いねぇ"って言おうとしたよね!?


「そうだっな…じゃあ秋月一人で来て」


「ハイ」