いつまでも泣き止まないあたしを
はじめ君が部屋から連れ出そうとした。

でもあたしは抵抗した。
洋介から離れたくなかった。



しばらくして
洋介のお母さんが来て、あたしをなだめてくれた。

夜になり
あたしは家に帰ったけど

眠れなかった。
洋介がまぶたに焼き付いて
離れなかった。



次の日
洋介のお通夜をした。
学校の友達がたくさん来ていた。
…あたしは親族の席にいた。

涙を我慢する事ができなくて
ずっと泣いていた。

洋介の香水の匂いが懐かしい。

でも今は
お線香の匂いしかしない。


お通夜が終わって、しばらくして
はじめ君が声をかけてきた。

「愛梨さん、これ…」
はじめ君が差し出したのは
血まみれの携帯だった。

「兄貴は事故にあう前に携帯いじってたみたいで…中は俺しか見てないから…見てください。」

あたしは言われたままに携帯を開いた。

でも
血がすごくて
かろうじて画面が見れる位だった。

画面はあたし宛のメールだった。


「愛梨、たくさん困らせてごめん。小さい頃から愛梨の事が好きだった。誰にも渡したくなかったんだ。愛梨と出会えて良かった。ずっと」


ここで文は途切れていた。

これを打ってる時に洋介は事故に…