ちょうど警備員が通ったなんてなんて運が悪いんだ
しかも病院送り
この独特な匂いとか
白い部屋とか
どうも受け付けない
そして他の患者と一緒なんてありえない
そう思った俺は
松葉杖を使ってふらふらしながら立ち、周りを見計らってその病室を抜け出した
このまま家に帰ってしまおう
そう決心をして
看護師に見つからないように出口へ向かった
少し動くだけど鋭い傷みが襲う
それでも一歩一歩進んで
やっとあの曲がり角を曲がれば出れるはず
その角を曲がろうとしたときだった
「サキちゃん!走っちゃダメでしょ」
そんな声と同時に
俺の下半身辺りにドスンと何かがあたる
そんな衝撃に激痛が襲い、俺はその場に倒れ込んだ

