「会いたいから」





「え?」





ぽつりと呟いた恭平の言葉に耳を傾けた






「お前に会いたいから!・・・それだけ」





投げやりに言う恭平の言葉はあたしのなかで何回も響いた






「ほんとに?」





あたしは思わず立ち上がり、恭平の手を掴んだ





「ん」





それだけ言って頷く恭平





「ばかばかばかばかばか!」





恭平背中にぎゅっと抱き着くながら叫ぶ





体のそこから叫ぶ





だって恭平が悪い




「何でだよ」




焦りながら顔を後ろに向けてあたしを睨む





「だっていつもと違って素直だから」






ずるい
恭平はずるい





平気な顔で
悪気なく
あたしの中に入ってくる




あたしの欲しいものをくれる




だから







好き