「やめてくれよ。てか女の涙苦手だから。」



「あはは、ごめんね。なんだろ、こんなはずじゃなかったのに」




涙を腕でふきながら
無理矢理笑う




そんな彼女をみても
俺は
何もできない



「作り笑いすんなよ。てかお前ここに入院してんの?」




今さらそんな質問
ばかみてえ




「そうよ。ここは瑠璃華の家みたいなもんだから」




「何の病気なの?」




そんなことを聞くと女はため息をついて俺の肩を叩く



「全く、ほんとあなたは無神経な人!教えるわけないでしょ!」




そい言いながら口を膨らませる




「あぁ、ごめん」




何か俺謝ってるし
なんだかこいつと話すと調子が狂う




俺はそんな今までにない状況に耐え切れずその場から逃げようと立ち上がる




そんな俺を見て女も立ち上がる




「もう行っちゃうの?」




「あぁ、俺はお前と違って忙しいんだよ」




そんな俺の言葉に女は笑う



「嘘つき!暇そうな顔してんじゃない!

ま、別にまたここに来てもいいよ?
瑠璃華大抵ここにいるから!」




そう笑った彼女の顔に
何故か顔が熱くなる




俺はそんな顔を隠すようにその場から逃げ去った