晴れて温かい日
二人でこのベンチに座ってひなたぼっこをするのが定番
あたしはもう一度大きく深呼吸をした
「ねえ、瑠璃華ちゃん?昨日のお兄ちゃん恐かったね」
そうあたしの手を握る
そんなサキちゃんの頭を撫でた
「恐かったね。でもあんな人もう忘れていいのよ?」
そう笑いかけるとサキちゃんは首を横に振る
「ダメ!お母さんがね、喧嘩したら仲直りするんだよって言ってた」
口いっぱいに空気を含みパンパンに膨らませている
「だからね、瑠璃華ちゃんごめんなさいするんだよ?約束!」
目の前にある小さな指
そんな指を無視することなんてできるはずもなく
あたしは指を絡ませた
「わかったよ。約束ね!まあ、会えたらの話しだけどね」
そうよ、多分もうあいつに会うことないだろうからいっか
そう思って交わした約束
ここから運命が動き出した