そんな事を考えながら曲がり角を曲がった時だった。

「!?」

僕とハワードは、意外な人間と鉢合わせした。

「し…シンディ…?」

現在勾留されている筈のシンディ・ピーペリー。

彼女が通路の真ん中に突っ立っていたのだ。

馬鹿な。

勾留が解かれたという話は聞いていない。

なら、脱走した?

だが独房の鉄格子は、女の腕力で開けるほど柔じゃない。

じゃあどうやって…?

戸惑う僕らの目の前で、シンディは踵を返して走り始めた。