呆然と立ち尽くす僕もまた、大人に手を引かれてシェルターへと入る。

僕を導くのは父さん、そして母さん。

無償の愛を注いで僕をここまで育ててくれた両親。

その愛は、こんな時でも一片の曇りもなかった。

僕を代わる代わる抱きしめてくれた両親は、僕たった一人を小型機に乗せる。

…もうこの惑星には逃げ場はない。

この小型機が向かう先は、外宇宙。

惑星外へと射出される、一人乗りの機体だった。

「生き延びろ」

エアーの音と共に閉じていく小型機のハッチ。

そのハッチの窓ガラスに手を当て、父さんは言う。

「必ず生き延びるんだ。願わくば、新天地で争いのない平和な日々を過ごせ…二度と侵略などという悲惨な経験をする事のないように…」