「この子は、マイハニーの瞳ちゃん。」


と、隣の彼女を紹介する。


オイ!マイハニー千恵ちゃんはどうした!?


とツッコミを入れたくなったけど、清楚な身なりの、瞳ちゃんと紹介された彼女が、

ペコリと頭を下げたから、引きつった顔のまま、私も頭を下げた。


「じゃ、瞳ちゃん、また放課後ね。」


「はい。清四郎様。」


可愛く笑って、瞳ちゃんは去って行った。



「可愛いな~、頬赤らめちゃってさ。」


去っていく瞳ちゃんの背中を見送りながら、満足げに清四郎が呟いた。


「そんな顔するなら、二股なんてやめなよ。男って最低!」


ついイラッとして、きつい口調になる。


「二股?本気で愛してるよ?」


イラつく私に、清四郎は悪びれる様子もなく、しれっと答えた。


「じゃあ、この前の千恵ちゃんは何なのよ。」


「千恵ちゃん?いつの話?」


そう言って、軽く口笛まで吹き始めて、何やらご機嫌な様子だ。