「4日間、見させてもらって検討した結果は・・・。」


ゴクリと音をたてて、生唾が私の喉を落ちていった。


「正式に雇わせてもらうよ。」



「ほ、本当ですか?!ありがとうございます!」


榊原くんは、ああ言ってくれたけど、内心めちゃくちゃ心配だった私は、

嬉しいより驚きが大きくて、ついつい大声になってしまった。


そんな私を見て、店長がニコッと微笑んで続けた。


「それと、本当によく頑張ってくれたから、今日までの分も、バイト代つけておくから。」


頑張りを認めてもらえたのが嬉しくて、涙が零れそうになる。


「来週からも、今まで以上に頑張って下さいね。期待していますから。

さあ、そろそろ帰らないと、バスの時間に遅れますよ。」


「はい、お先に失礼します。一生懸命がんばります。」


店長に軽く頭を下げて、部屋から出ようとドアのノブに手をかけた。


「森山さん、そこは!」


店長の声と同時に、開いた扉からモップが倒れてきて、頭の上に乗った。


「物置だから。」


「すみません、舞い上がっちゃって。失礼します。」


今度こそ出入り口の扉を開けて、事務所を後にした。